破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
私とラウィーニアは、少しでも希望があれば彼らを信じたはずだ。けれどあの時は、間違いなく絶望的な状況だった。
陸路ならば絶対に隠せない足取りを追い、逃げそうな道筋を追いかけてという手も考えられる。けれど、大海原の中には、どこを通行せよと言う目印がある訳でもない。
「……あの魔女と、何か話をしたんですか?」
ランスロットの言葉に、私は不意を突かれて驚いた。
なんていうか、このまま甘い雰囲気そのままにそういうことに雪崩れ込んでしまうのかもしれないと思っていた。けれど、彼が言った言葉と私がなんとなく想像していたこととの落差が酷い。
「え……魔女? もしかして、東の森に住んでいるグウィネスの事?」
箱入りと言って差し支えがない貴族令嬢の私が、唯一知っている魔女と言えば、ランスロットが妙な呪術をかけられた時に助けてくれたあのグウィネスしかいない。
「そうです。何か、話しましたか?」
ランスロットの整った顔が、徐々に近付いてくる。とても眼福な光景ではあるものの、押しの強い詰問口調に見惚れている場合ではないと思い直す。
陸路ならば絶対に隠せない足取りを追い、逃げそうな道筋を追いかけてという手も考えられる。けれど、大海原の中には、どこを通行せよと言う目印がある訳でもない。
「……あの魔女と、何か話をしたんですか?」
ランスロットの言葉に、私は不意を突かれて驚いた。
なんていうか、このまま甘い雰囲気そのままにそういうことに雪崩れ込んでしまうのかもしれないと思っていた。けれど、彼が言った言葉と私がなんとなく想像していたこととの落差が酷い。
「え……魔女? もしかして、東の森に住んでいるグウィネスの事?」
箱入りと言って差し支えがない貴族令嬢の私が、唯一知っている魔女と言えば、ランスロットが妙な呪術をかけられた時に助けてくれたあのグウィネスしかいない。
「そうです。何か、話しましたか?」
ランスロットの整った顔が、徐々に近付いてくる。とても眼福な光景ではあるものの、押しの強い詰問口調に見惚れている場合ではないと思い直す。