破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「そうです。ウルセンの訓練施設に居た頃の話です……僕も、一時期投げやりな気持ちになっていた期間がありました。そこで、施設に弁当売りに来ていたグウィネスと知り合いました。幸いどう転んでも爵位が回ってくる訳ではない僕には、家族は何の期待などもしていない。家を出て騎士として身を立てていくつもりだったので、貴族の身分も捨てるつもりでいました」
暗に当時のランスロットはその時に付き合っていたグウィネスと結婚するつもりだったと聞いて、胸がぎゅうっと絞られたような気がするくらいに複雑な気持ちにはなった。私だって、クレメントと付き合っていた時は彼のことが好きだった訳だし……結婚するつもりでいたことは、あったけど。
お互い様だからと言って、嫌な気持ちを抑え切れる訳でもない。
「グウィネスは、確かに思わず声を掛けてしまうくらいの美人だよね……」
「僕は、ディアーヌが一番好きですよ」
彼の過去にどうしても納得し難くて拗ねてしまった私が、ぽつりとこぼした言葉に彼は完璧な返しをした。
暗に当時のランスロットはその時に付き合っていたグウィネスと結婚するつもりだったと聞いて、胸がぎゅうっと絞られたような気がするくらいに複雑な気持ちにはなった。私だって、クレメントと付き合っていた時は彼のことが好きだった訳だし……結婚するつもりでいたことは、あったけど。
お互い様だからと言って、嫌な気持ちを抑え切れる訳でもない。
「グウィネスは、確かに思わず声を掛けてしまうくらいの美人だよね……」
「僕は、ディアーヌが一番好きですよ」
彼の過去にどうしても納得し難くて拗ねてしまった私が、ぽつりとこぼした言葉に彼は完璧な返しをした。