破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
ランスロットの性格上、悲劇に見舞われる恋人を放り出すということは考え難い。私が傷つくなら自分が傷ついた方が良いと、クズなクレメントの嫌がらせに耐えていた人だから、崇高な自己犠牲の精神も持ち合わせているだろう。
そして、私はある事実に、はたと気がついた。
「……ねえ、ラウィーニア。東の地ソゼクの呪術って、記憶を操作する事も出来たよね……?」
私がそう言えば、ラウィーニアは首を傾げた。一体何を当たり前の事を言い出したのかと訝るように。
「そうよ。だから、貴女がグウィネスの元へ行って、ランスロットの記憶を取り戻したんでしょう?」
「私も、あの時にリーズから詳しい説明を受けたわ。その時に好きな相手へと向かう好きという気持ちも、相手に関する記憶も失ってしまう呪術だと」
何を言いたいのかを、聡明な彼女は皆まで言わせずに察してくれたらしい。
「もしかして、ランスロットは……当時の恋人であるグウィネスに対する気持ちを、彼女の婚約者に失わされて……だから、彼女を追い掛けなかった?」
そして、私はある事実に、はたと気がついた。
「……ねえ、ラウィーニア。東の地ソゼクの呪術って、記憶を操作する事も出来たよね……?」
私がそう言えば、ラウィーニアは首を傾げた。一体何を当たり前の事を言い出したのかと訝るように。
「そうよ。だから、貴女がグウィネスの元へ行って、ランスロットの記憶を取り戻したんでしょう?」
「私も、あの時にリーズから詳しい説明を受けたわ。その時に好きな相手へと向かう好きという気持ちも、相手に関する記憶も失ってしまう呪術だと」
何を言いたいのかを、聡明な彼女は皆まで言わせずに察してくれたらしい。
「もしかして、ランスロットは……当時の恋人であるグウィネスに対する気持ちを、彼女の婚約者に失わされて……だから、彼女を追い掛けなかった?」