破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「海に出ていたというのに攫われた私たちの位置がわかったのは、グウィネスが探していたディアーヌに会っていたからだそうなの。だから、彼女を探す人物も誰かの居場所を特定出来る能力を持っていると考えられるわ。東の森では、それを撹乱するために、幾重にも色んな魔法を施していたそうよ。あの森で移動魔法が使えなくなっているのも、そのひとつだったみたいね」
「……今まで、どんなに会いたくてもランスロットと会えなかったんだから。会えた喜びは、ひとしおでしょうね」
チラッと彼らの方を見た私とラウィーニアが二人で話していると、凛とした声が部屋に響いた。
「僕は、他の何を捨ててもディアーヌを選びたい」
ランスロットは、彼女に対してはっきりと引導を渡したらしい。彼の前に居るグウィネスは、両手を握り締めて顔を歪めて悲しそう。
けれど、選択は今まで彼が積み上げてきたもの、すべてを捨てることになる。
彼は、その選択をいつか後悔するだろうか。今を生きる誰だって未来のことは、わからない。私も、後悔したくない。彼から、何も奪いたくない。でも自分は、身を引きたくない。
「……今まで、どんなに会いたくてもランスロットと会えなかったんだから。会えた喜びは、ひとしおでしょうね」
チラッと彼らの方を見た私とラウィーニアが二人で話していると、凛とした声が部屋に響いた。
「僕は、他の何を捨ててもディアーヌを選びたい」
ランスロットは、彼女に対してはっきりと引導を渡したらしい。彼の前に居るグウィネスは、両手を握り締めて顔を歪めて悲しそう。
けれど、選択は今まで彼が積み上げてきたもの、すべてを捨てることになる。
彼は、その選択をいつか後悔するだろうか。今を生きる誰だって未来のことは、わからない。私も、後悔したくない。彼から、何も奪いたくない。でも自分は、身を引きたくない。