破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
大きなガラスを打ち破った張本人だと思われる褐色の肌を持つ男は、不機嫌そうな視線をこちらに向けた。私たちの前には、誰かの守護魔法なのか。透明な光る壁が出来ていて、虹色に輝いている。
我らが王ドワイド陛下は、これからの成り行きを見たそうな素振りを見せたけれど、傍近くに控えていた誰かに早く早くと促されて部屋を出て行った。
彼と王太子コンスタンス様二人に同時に万が一があれば、このレジュラスは終わってしまうので、いくら強い護衛騎士が居ようとも賢明な判断だと思う。
「グウィネスを返せ。それは、俺の女だ」
とても威圧的な物言いで、その男は言い放った。
「我が国の元大臣のファーガス・ジェルダンを唆したのは、君だよね? 本人から、証言は得ているよ。真犯人である君の名前を、なかなか出さなくて……随分と、痛く辛い思いをさせてしまったようだが」
「グウィネスを返せ」
我らが王ドワイド陛下は、これからの成り行きを見たそうな素振りを見せたけれど、傍近くに控えていた誰かに早く早くと促されて部屋を出て行った。
彼と王太子コンスタンス様二人に同時に万が一があれば、このレジュラスは終わってしまうので、いくら強い護衛騎士が居ようとも賢明な判断だと思う。
「グウィネスを返せ。それは、俺の女だ」
とても威圧的な物言いで、その男は言い放った。
「我が国の元大臣のファーガス・ジェルダンを唆したのは、君だよね? 本人から、証言は得ているよ。真犯人である君の名前を、なかなか出さなくて……随分と、痛く辛い思いをさせてしまったようだが」
「グウィネスを返せ」