破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「……成程ね。単身でこの城に乗り込んでくるだけの能力は持っているのか。僕の言葉が君の耳に届いているのかはわからないが、グウィネスは君が嫌なようだよ。嫌がっている女の子に対して、無理強いは良くないのではないかな?」
コンスタンス様は、あくまで平静に声を掛けた。追いかけ回しているグウィネスに心から嫌がられているという事実は、この彼にとっては特に指摘されたくはなかったのかもしれない。
怒りを露わにしたプルウィットの身体からぶわりと黒い靄が舞い上がり、部屋の中に立ち込めた。
私も光る壁に守られては居たけど、まずいと咄嗟に思った。あれは、絶対にこの前に見た記憶を操るという呪術の発動したものだから。
けれど、強い恐怖を感じたのは、ほんの一瞬だった。
すぐさまプルウィットの大きな身体は、透明な棺のような何かに閉じ込められ、黒い靄は彼と一緒にその中から出て来ることが出来ない。
あっという間の勝敗に唖然としている人たちの中で、ランスロットの淡々とした声が響いた。
コンスタンス様は、あくまで平静に声を掛けた。追いかけ回しているグウィネスに心から嫌がられているという事実は、この彼にとっては特に指摘されたくはなかったのかもしれない。
怒りを露わにしたプルウィットの身体からぶわりと黒い靄が舞い上がり、部屋の中に立ち込めた。
私も光る壁に守られては居たけど、まずいと咄嗟に思った。あれは、絶対にこの前に見た記憶を操るという呪術の発動したものだから。
けれど、強い恐怖を感じたのは、ほんの一瞬だった。
すぐさまプルウィットの大きな身体は、透明な棺のような何かに閉じ込められ、黒い靄は彼と一緒にその中から出て来ることが出来ない。
あっという間の勝敗に唖然としている人たちの中で、ランスロットの淡々とした声が響いた。