破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
ガンガンと内部から氷を叩く大きな音が聞こえるけど、あの中に閉じ込められて黒い靄も出すことも出来ない。何の脅威もないのなら、別に恐れることもない。
「残念だな。僕は友好関係を築きたかった」
本当にそう思っているのか甚だ疑問なことを口から出してコンスタンス様は、グウィネスが居る方向を振り返った。
「魔女殿。それでは、交換条件と行こうか。色々と事情があって、こちら側レジュラスも東の地ソゼクと事を構えたい訳ではなくてね。だが、族長の息子とは言え、許し難い事をしてくれた。よって、僕はこの彼の族長の息子の身柄と交換に、東の地ソゼクの族長に幾つかの要求を呑ませるつもりではある。その条件のひとつに、君の解放を織り込もうと思うんだが。どうかな?」
「……私の、解放?」
「そうだ。君が今まで何処にも行けなかったのは、この言葉の通じない野蛮な男プルウィット・ハーディの存在のせいだろう。君は、僕の婚約者とその従姉妹の二人を救ってくれた恩人だ。何にも縛られない自由を、必ず約束させよう。族長はどんな条件だろうが呑むと思うよ。どんなにバカなことを仕出かす息子でも、親だけは可愛いだろうしね」
「残念だな。僕は友好関係を築きたかった」
本当にそう思っているのか甚だ疑問なことを口から出してコンスタンス様は、グウィネスが居る方向を振り返った。
「魔女殿。それでは、交換条件と行こうか。色々と事情があって、こちら側レジュラスも東の地ソゼクと事を構えたい訳ではなくてね。だが、族長の息子とは言え、許し難い事をしてくれた。よって、僕はこの彼の族長の息子の身柄と交換に、東の地ソゼクの族長に幾つかの要求を呑ませるつもりではある。その条件のひとつに、君の解放を織り込もうと思うんだが。どうかな?」
「……私の、解放?」
「そうだ。君が今まで何処にも行けなかったのは、この言葉の通じない野蛮な男プルウィット・ハーディの存在のせいだろう。君は、僕の婚約者とその従姉妹の二人を救ってくれた恩人だ。何にも縛られない自由を、必ず約束させよう。族長はどんな条件だろうが呑むと思うよ。どんなにバカなことを仕出かす息子でも、親だけは可愛いだろうしね」