破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜

27 涙

「待ちました」

「ごめんなさい」

 数多くの兵士たちがようやく駆けつけて来たその部屋を出て、二人と話していた私を急かすことなく待っていたラウィーニアに私は素直に謝った。

 勝負に挑むかのように双方共に気合を入れて新しいドレスを着たりとお洒落はしてきたものの、どう前向きに考えようにも今夜の晩餐会は中止にならざるを得ないし、城にある彼女の部屋に一度帰った方が良さそう。

 もう用意も済んでしまっているであろう食事の件については、また落ち着いた頃合いにでも誰かに聞けば良い。

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