破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「それ……ランスロット・グラディスよ。氷の騎士と呼ばれている」
「……氷の騎士?」
「王宮騎士団の五人の筆頭騎士の一人。各属性の中で一番優れている人を、筆頭騎士って言われているのよ。でもあの彼は、女嫌いって噂があるから……かなり難しいかも」
「そんな……女嫌いなの? あんなに、素敵なのに勿体無い……待って。まさか! 男性が好きとか?」
「そんな噂はないから。それは違うとは、思うけど。コンスタンスの部下だから命じれば一応夜会にも出席するけど、彼はどんな令嬢に誘われたとしても誰とも踊らないっていう話よ。ディアーヌの手に負えるような人では、なさそうよ……」
「私だって、自分の身の程は弁えてはいるわよ。あんな人と一回でも踊れたら、良いのに……ねえ、聞いて。社交界デビューの日は、結局はお兄様がエスコート役なのよ。出来ればエルリックが良いのに。その日はもう、学院に戻ってるからって断られて……」
「……氷の騎士?」
「王宮騎士団の五人の筆頭騎士の一人。各属性の中で一番優れている人を、筆頭騎士って言われているのよ。でもあの彼は、女嫌いって噂があるから……かなり難しいかも」
「そんな……女嫌いなの? あんなに、素敵なのに勿体無い……待って。まさか! 男性が好きとか?」
「そんな噂はないから。それは違うとは、思うけど。コンスタンスの部下だから命じれば一応夜会にも出席するけど、彼はどんな令嬢に誘われたとしても誰とも踊らないっていう話よ。ディアーヌの手に負えるような人では、なさそうよ……」
「私だって、自分の身の程は弁えてはいるわよ。あんな人と一回でも踊れたら、良いのに……ねえ、聞いて。社交界デビューの日は、結局はお兄様がエスコート役なのよ。出来ればエルリックが良いのに。その日はもう、学院に戻ってるからって断られて……」