破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
金髪碧眼の美男である王太子のコンスタンス様は絶対自分には手の届かない存在であるとはわかっていても、思わずため息をついてしまう程に美形の王子様。少し失礼な言い方になるかもしれないけれど観賞用には、とても最適な人だ。
けれど、そんな彼の傍に居るためにと王妃の身分の重圧に耐え切れるのは、ラウィーニアを含めたきっと一握りしかいない。この国を治める彼の伴侶である王妃となる重圧は、きっと凡人には計り知れないものだから。
「今夜は、僕の催す夜会に出席してくれて感謝する。実は、これから大事な報告がある。この場で王太子妃に決定した女性の名前を、知らせたい……ラウィーニア。こちらへ」
彼の呼びかけに答え、美しい深い青のドレスに身を包み楚々として現れる黒髪の美女。ラウィーニア・ライサンダー公爵令嬢。先ほど心配顔をして会ったばかりの、私の従姉妹だ。不届き者の誰かが変身魔法を使って、いずれこの国の至高の存在となる王太子の隣でにっこりと微笑む彼女に成り代わっていない限りは。
けれど、そんな彼の傍に居るためにと王妃の身分の重圧に耐え切れるのは、ラウィーニアを含めたきっと一握りしかいない。この国を治める彼の伴侶である王妃となる重圧は、きっと凡人には計り知れないものだから。
「今夜は、僕の催す夜会に出席してくれて感謝する。実は、これから大事な報告がある。この場で王太子妃に決定した女性の名前を、知らせたい……ラウィーニア。こちらへ」
彼の呼びかけに答え、美しい深い青のドレスに身を包み楚々として現れる黒髪の美女。ラウィーニア・ライサンダー公爵令嬢。先ほど心配顔をして会ったばかりの、私の従姉妹だ。不届き者の誰かが変身魔法を使って、いずれこの国の至高の存在となる王太子の隣でにっこりと微笑む彼女に成り代わっていない限りは。