破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
細やかな意匠が施された柵の前に並んで手を掛けて、意を決した私はランスロットの方を向いた。
こうして間近で見ると本当に彼は生きているのが不思議なくらいな、美しい容貌をしている。
「ランスロット様。私、貴方に聞きたいことがあって」
「何なりと」
彼は短く答えて、私を真っ直ぐに見つめた。透き通るような、色素の薄い水色の瞳。
「あの、私に声を掛けたのは……貴方と、私が付き合っていたクレメントの、二人の関係が何か関わっていますか? それなら、もうやめて欲しいんです」
5
05 訳
「……いいえ」
彼の真意を問い正す言葉にランスロットは短く答えて、表情が見えにくい彼はまるで何かに耐えるかのように小さく眉根を寄せた。
「……クレメントの存在は、あの告白には何の関係もないと?」
言葉少なな彼に対し私はまた、問いを重ねた。
「ありません。ですが、彼が僕のことをあまり良くは思っていないことは事実です」
こうして間近で見ると本当に彼は生きているのが不思議なくらいな、美しい容貌をしている。
「ランスロット様。私、貴方に聞きたいことがあって」
「何なりと」
彼は短く答えて、私を真っ直ぐに見つめた。透き通るような、色素の薄い水色の瞳。
「あの、私に声を掛けたのは……貴方と、私が付き合っていたクレメントの、二人の関係が何か関わっていますか? それなら、もうやめて欲しいんです」
5
05 訳
「……いいえ」
彼の真意を問い正す言葉にランスロットは短く答えて、表情が見えにくい彼はまるで何かに耐えるかのように小さく眉根を寄せた。
「……クレメントの存在は、あの告白には何の関係もないと?」
言葉少なな彼に対し私はまた、問いを重ねた。
「ありません。ですが、彼が僕のことをあまり良くは思っていないことは事実です」