破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
ランスロットは近くに人が通りかかったのを見て、私を覆うように体を寄せて来た。ただ見えないようにと庇ってくれた事はわかってはいたのだけれど、胸が一度大きく跳ねた。
「あの……でも。ランスロット様は、大丈夫ですか?」
彼は王太子殿下のお気に入りだと聞いているし、この夜会はその人コンスタンス様が主催者でもある。要するにこれに出席することは彼にとっては仕事だから中座して怒られないものなのだろうかと心配すれば、ランスロットは首を振って言った。
「僕の事は、何も気にしないでください。ディアーヌ嬢のことが何より、大事なので」
◇◆◇
「なんで、その場で付き合いましょうって言わなかったの?」
先日の夜会であった詳細を人の悪い笑みを浮かべたラウィーニアに説明していると、二人で帰ろうとしたくだりで彼女は口を挟んだ。
「……別れたばかりよ。ラウィーニア」
聡い彼女だって、私が何を言いたいかは察しているはず。あの二人の関係性の中で、私がランスロットと付き合い出すと言うこと。
「あの……でも。ランスロット様は、大丈夫ですか?」
彼は王太子殿下のお気に入りだと聞いているし、この夜会はその人コンスタンス様が主催者でもある。要するにこれに出席することは彼にとっては仕事だから中座して怒られないものなのだろうかと心配すれば、ランスロットは首を振って言った。
「僕の事は、何も気にしないでください。ディアーヌ嬢のことが何より、大事なので」
◇◆◇
「なんで、その場で付き合いましょうって言わなかったの?」
先日の夜会であった詳細を人の悪い笑みを浮かべたラウィーニアに説明していると、二人で帰ろうとしたくだりで彼女は口を挟んだ。
「……別れたばかりよ。ラウィーニア」
聡い彼女だって、私が何を言いたいかは察しているはず。あの二人の関係性の中で、私がランスロットと付き合い出すと言うこと。