破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「とても似合ってるわ。ディアーヌ。もう、王宮騎士団の面々は集まって訓練を開始している時間なのよ。団長も兼務しているコンスタンスは、気まぐれでお忍びに観戦しに行ったりもするから。私も何度か一緒に観た事があるけど、本当に圧巻よ」
「……圧巻なの?」
「ええ。流石はこのレジュラスの誇る、主力の面々だわ。訓練場が壊れないようにと筆頭魔術師リーズがいつも結界を張っているんだけど。実戦でもないのに、所属している騎士たちの魔法が余りに威力が強いから何度も何度も重ね掛けしないといけなくて、人使いが荒くて参るって、この前にぼやいていたわ」
「すごい……そうなんだ」
私は、そう言ってから小さく溜め息をついた。
我が国の王宮騎士団は主力と呼ばれているとは言え、実戦にと駆り出される事は少ない。何故かというと、彼らはこの国の切り札であり周辺国の抑止力となる存在だから、王が居る王都を離れる事はよっぽどの事だからだ。
軍事国家である大国レジュラスに喧嘩を売るような国は少ないけれど、それは彼らが居るという理由も大きい。
「……圧巻なの?」
「ええ。流石はこのレジュラスの誇る、主力の面々だわ。訓練場が壊れないようにと筆頭魔術師リーズがいつも結界を張っているんだけど。実戦でもないのに、所属している騎士たちの魔法が余りに威力が強いから何度も何度も重ね掛けしないといけなくて、人使いが荒くて参るって、この前にぼやいていたわ」
「すごい……そうなんだ」
私は、そう言ってから小さく溜め息をついた。
我が国の王宮騎士団は主力と呼ばれているとは言え、実戦にと駆り出される事は少ない。何故かというと、彼らはこの国の切り札であり周辺国の抑止力となる存在だから、王が居る王都を離れる事はよっぽどの事だからだ。
軍事国家である大国レジュラスに喧嘩を売るような国は少ないけれど、それは彼らが居るという理由も大きい。