破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「……俺のお古の女と、ようやく仲良く出来ているようで良かったな。まあ……先に目をつけていたのは、確かにお前だったけど? ディアーヌは外見は可愛いかも知れないけど、俺が話しても肯定するばかりでつまらなかった。あんな女と、良く付き合えるな」

「もう二度と、ディアーヌ嬢に近づくな」

「……あー? そんな事、言って良いのかよ。別に俺は、言ってやったって良いんだぜ。俺がディアーヌと付き合ったのは、ランスロットに嫌な思いをさせたかっただけだってな。また傷つくだろうなー?」

 付き合っていた事実をあげつらうような言葉に、ランスロットは苦しそうな声で返した。

「……お前の事が好きだった過去の思い出は、綺麗なままで居させてあげて欲しい」

 クレメント……本当に、私が思っていたより中身が酷くて驚いた。彼が放った最低な言葉に傷ついているかと言われれば、否だ。

 私の初恋は今ここに完全に終わりを告げ、なんなら彼との思い出全部全部、暖炉に焚べて火をつけたいくらい。

「ちょっと! クレメント! そんな脅しなんて、通じないからね!!」

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