破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「……聞いて、去年の社交界デビューの日。私の記憶が間違っていなければ、ランスロット・グラディスは遅刻して来たはずよ。私はコンスタンスのパートナーとして会場入りしていたけど、王族の彼は開始のダンスをデビュタント達と踊らなければならなかったでしょう? 私はその時間暇だったから、我が国の誇る美形騎士達でも観察していようかと思っていたんだけど……彼は、何故か遅れて来ていた」
ラウィーニアは、意味ありげに笑った。私はそれを聞いて、彼女が何を言いたいか察せずに首を捻る。
「ランスロットが、遅れて来た……?」
社交界デビューのために会場入りしたデビュタント達は、まず王太子や他の王子達とダンスを踊るはず。そうして、思い思いに歓談したりダンスしたり。私は第二王子ハリー様と踊った後は、まだ婚約者が居ないのでパートナーとして一緒に来ていた兄と一度ダンスを踊って。
その後すぐに、あのクレメントに声を掛けられたはず。
ラウィーニアは、意味ありげに笑った。私はそれを聞いて、彼女が何を言いたいか察せずに首を捻る。
「ランスロットが、遅れて来た……?」
社交界デビューのために会場入りしたデビュタント達は、まず王太子や他の王子達とダンスを踊るはず。そうして、思い思いに歓談したりダンスしたり。私は第二王子ハリー様と踊った後は、まだ婚約者が居ないのでパートナーとして一緒に来ていた兄と一度ダンスを踊って。
その後すぐに、あのクレメントに声を掛けられたはず。