破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
 近い立場にある彼らの間で、あっさりと乗り換えたと思う人が居ればそう言えば良い。もうベッドでただ丸まっている間に、名前も知らない誰かから、非難を受ける覚悟は出来た。

 恋愛は、きっと誰かを傷つける。誰かの恋が実れば、誰かの恋は破れる。誰もが納得出来る結末など、絶対に存在しない。

 だとしたら私だって、これほどにまで一途に思い続けてくれた人に、世間体みたいなくだらない理由で何も応えないという訳にはいかない。二度目の恋になるか、ならないか。それは、わからない。

 初めての恋ほどには、純粋になれない。でも、彼のことは知りたい。大きく揺れる気持ちに、決着をつけたかった。

< 76 / 254 >

この作品をシェア

pagetop