破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
ラウィーニアの勢いについていけていない私がのろのろと立ち上がれば、急いだ様子の彼女は私がここに持って来たドレスが入ったクローゼットの中をためつすがめつ吟味しているようだった。
そして、すっきりとしたラインの深い青のデイドレスが気に入った様子の彼女は、それを小走りで持って私に差し出した。
「早く、これを着て」
「……何かあったの?」
彼女の押しに負けてそれを受け取りつつ、微妙な表情をすることは誤魔化せない。ラウィーニアはにっこりと笑って頷いた。
「大有りよ。コンスタンスの現在の護衛騎士は、ランスロットなの」
「……いつも、そうではないの?」
尊い御身の彼には、最高の護衛が付くはず。王宮騎士団の筆頭騎士であるランスロットがここに来ているのは、そのためであるはずだ。
「そうなんだけど……まあ、その辺りはもう良いわ。せっかくの機会だから、コンスタンスが街も見てみたいから外出しようとさっき言い始めたのよ。さあさあ、着替えて」
釈然としない思いのままで私は黙って頷いて、彼女の言う通りにすることにした。
◇◆◇
そして、すっきりとしたラインの深い青のデイドレスが気に入った様子の彼女は、それを小走りで持って私に差し出した。
「早く、これを着て」
「……何かあったの?」
彼女の押しに負けてそれを受け取りつつ、微妙な表情をすることは誤魔化せない。ラウィーニアはにっこりと笑って頷いた。
「大有りよ。コンスタンスの現在の護衛騎士は、ランスロットなの」
「……いつも、そうではないの?」
尊い御身の彼には、最高の護衛が付くはず。王宮騎士団の筆頭騎士であるランスロットがここに来ているのは、そのためであるはずだ。
「そうなんだけど……まあ、その辺りはもう良いわ。せっかくの機会だから、コンスタンスが街も見てみたいから外出しようとさっき言い始めたのよ。さあさあ、着替えて」
釈然としない思いのままで私は黙って頷いて、彼女の言う通りにすることにした。
◇◆◇