破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
私は彼と沢山話をして、これから不思議に思っていた事を知っていくつもりだった。
「ありがとうございます」
礼を言ってその手を取り、寄り添って先を行く二人に続き私たちも宿屋の大きな入り口を出た。室内に慣れていた目には、明るい外は辛い。外には眩しい光が溢れていて、私は思わず手を翳した。
街歩きとは言っても護衛などの都合もあるから、これから決められたルートを少し歩くことになるのだとランスロットは歩きつつ説明してくれた。
小さな子どもが歩く私たちの隣を、何人か笑いさざめきつつ飴のついた棒を持ったままで走って通り過ぎていく。
ランスロットは、王太子の護衛騎士だ。ラウィーニアは、彼が守るべき存在ではあるけれど最優先される対象ではなかった。
だから、私はその時に彼が咄嗟に取った行動について、間違ったなんて絶対に思えない。
子ども達が私たちの隣を通り過ぎたその瞬間、何かの魔法が発動したのは、何の心得も魔力も持っていない私にでもわかった。
ぶわっと昼日中の道に一気に溢れる、もやもやとしたどす黒い煙のようなもの。
「ありがとうございます」
礼を言ってその手を取り、寄り添って先を行く二人に続き私たちも宿屋の大きな入り口を出た。室内に慣れていた目には、明るい外は辛い。外には眩しい光が溢れていて、私は思わず手を翳した。
街歩きとは言っても護衛などの都合もあるから、これから決められたルートを少し歩くことになるのだとランスロットは歩きつつ説明してくれた。
小さな子どもが歩く私たちの隣を、何人か笑いさざめきつつ飴のついた棒を持ったままで走って通り過ぎていく。
ランスロットは、王太子の護衛騎士だ。ラウィーニアは、彼が守るべき存在ではあるけれど最優先される対象ではなかった。
だから、私はその時に彼が咄嗟に取った行動について、間違ったなんて絶対に思えない。
子ども達が私たちの隣を通り過ぎたその瞬間、何かの魔法が発動したのは、何の心得も魔力も持っていない私にでもわかった。
ぶわっと昼日中の道に一気に溢れる、もやもやとしたどす黒い煙のようなもの。