破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
ランスロットは動揺することなく冷静に素早く飛び上がり、先を歩いていた王太子殿下その人を庇うようにして動いた。
もし、彼やその他の誰もが思った通りに、狙いが王太子コンスタンス様だったなら、何かしらの対処出来ていたはずだ。それだけの辛く厳しい訓練を受けていて、だからこそ彼は王宮騎士団の筆頭騎士一人だと呼ばれていた。
でも、本当の狙いは違っていた。
彼の婚約者である、ラウィーニアに黒いもやもやとした煙は真っ直ぐに飛びかかり、彼女は悲鳴をあげて目を瞑り道に体を伏せた。
意表を突かれた形になったランスロットは、その黒い何かがラウィーニアを襲い掛かろうとしているのを見て自分の身をもって彼女を庇った。吸い込まれるように黒いものは身体に取り込まれ、彼はゆっくりと前へ倒れた。
ただその悲劇を見ていることしか出来なかった私は、恐怖の余り大きな悲鳴を上げたのかもしれない。ラウィーニアが、私を慌てて抱き締めたから。
ランスロットが倒れていて、どこからともなく現れた数人に彼は宿屋に運ばれた。そこから先は、実を言うとあまり覚えていない。
もし、彼やその他の誰もが思った通りに、狙いが王太子コンスタンス様だったなら、何かしらの対処出来ていたはずだ。それだけの辛く厳しい訓練を受けていて、だからこそ彼は王宮騎士団の筆頭騎士一人だと呼ばれていた。
でも、本当の狙いは違っていた。
彼の婚約者である、ラウィーニアに黒いもやもやとした煙は真っ直ぐに飛びかかり、彼女は悲鳴をあげて目を瞑り道に体を伏せた。
意表を突かれた形になったランスロットは、その黒い何かがラウィーニアを襲い掛かろうとしているのを見て自分の身をもって彼女を庇った。吸い込まれるように黒いものは身体に取り込まれ、彼はゆっくりと前へ倒れた。
ただその悲劇を見ていることしか出来なかった私は、恐怖の余り大きな悲鳴を上げたのかもしれない。ラウィーニアが、私を慌てて抱き締めたから。
ランスロットが倒れていて、どこからともなく現れた数人に彼は宿屋に運ばれた。そこから先は、実を言うとあまり覚えていない。