破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「あのっ、良いです。クレメント……クレメント・ボールドウィンと行きます。早く……早くランスロットに掛かった呪術を解いてあげたいので」
話に口を出すなんて失礼であることは、承知で……まだまだ続きそうな二人の問答を遮り、私はそう言った。
コンスタンス様は複雑そうな表情で、眉を寄せた。私たち三人の間で、これまでに色々あった経緯を彼も詳しくラウィーニアに聞いているからだろう。
「ディアーヌ。あいつは……グラディスはラウィーニアをその身を以て守ってくれた。僕も、出来るだけの事はするつもりではある。だが、本当に君は良いのか」
「王太子殿下。そうして、私をご心配頂いて恐縮ですが。別れた男なんて、女性にとってみれば三ヶ月経てばもう他人です。彼には東の森での護衛の任務だけ果たして頂ければ、私は大丈夫です」
◇◆◇
話に口を出すなんて失礼であることは、承知で……まだまだ続きそうな二人の問答を遮り、私はそう言った。
コンスタンス様は複雑そうな表情で、眉を寄せた。私たち三人の間で、これまでに色々あった経緯を彼も詳しくラウィーニアに聞いているからだろう。
「ディアーヌ。あいつは……グラディスはラウィーニアをその身を以て守ってくれた。僕も、出来るだけの事はするつもりではある。だが、本当に君は良いのか」
「王太子殿下。そうして、私をご心配頂いて恐縮ですが。別れた男なんて、女性にとってみれば三ヶ月経てばもう他人です。彼には東の森での護衛の任務だけ果たして頂ければ、私は大丈夫です」
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