破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「……は? 俺がやったこと……わかってるよな? この前に聞かれた通り。お前に声を掛けたのは、ランスロットに嫌がらせしたかったからで……」
「そう。それは、私だってわかってはいるわよ。でも、もしかしたら猫被っている状態の私だと、ランスロットとは上手くいかなかったかもしれない。最初から素のままの自分で居られたから。そういう意味での、感謝。別れた時は、本当に最低な意味のない恋だったと思った。けど、次にランスロットと上手くいくための恋だったのかも」
クレメントとランスロットは、立場上同じ筆頭騎士だし顔貌そして容姿も双方タイプは違えど、とても整っていると言って差し支えない。
だから、こう思ったのだ。クレメントが声を掛けずに、ランスロットと付き合っていたとして。私はやはり、彼とどうしても別れたくなくて嫌われたくて。猫を被ってしまったかもしれない。そして、その先は上手くいかなかったかもしれない。
「あー……俺と付き合っていた事が、ランスロットと始まる前の踏み台にされたってこと? はは。大した女だわ」
クレメントは、面白そうに言った。
「そう。それは、私だってわかってはいるわよ。でも、もしかしたら猫被っている状態の私だと、ランスロットとは上手くいかなかったかもしれない。最初から素のままの自分で居られたから。そういう意味での、感謝。別れた時は、本当に最低な意味のない恋だったと思った。けど、次にランスロットと上手くいくための恋だったのかも」
クレメントとランスロットは、立場上同じ筆頭騎士だし顔貌そして容姿も双方タイプは違えど、とても整っていると言って差し支えない。
だから、こう思ったのだ。クレメントが声を掛けずに、ランスロットと付き合っていたとして。私はやはり、彼とどうしても別れたくなくて嫌われたくて。猫を被ってしまったかもしれない。そして、その先は上手くいかなかったかもしれない。
「あー……俺と付き合っていた事が、ランスロットと始まる前の踏み台にされたってこと? はは。大した女だわ」
クレメントは、面白そうに言った。