【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
(知りたい……ムズムズする)
もう少し詳しいことを教えて貰えないだろうか。クララは期待の眼差しをコーエンに向けた。
「……内侍ってのはさ、王族の私生活にまつわるお金とか、侍女とかの人事を担当するんだよ」
コーエンは大きく伸びをしながらそう口にする。気だるそうにはしているが、きちんと教えてくれるあたり、案外面倒見のいい人なのかもしれない。
「あとは、王族とは気軽に話せない身分の奴ら――――位の低い騎士とか文官あたりの要望を聴いたり、逆に命令を伝えたりとかね。主人が直接動けなかったり、判断を下せない状況にあるときに動く役。それが内侍ってわけ」
クララは思わずへぇーーと唸り声を上げる。
王族を表とするならば、内侍とは裏の存在。王族の仕事を影ながら支えたり、城の、外からは見えない部分を動かす役割ということなのだろう。
(思っていたよりもずっとやり甲斐がありそう。だけど)
気づけばトクン、トクンと心臓が鳴っていた。何やら足が竦むし、息がうまくできない。
(それ、本当にわたしに務まるの?)
これまでクララは男性にも負けぬよう、一生懸命勉強をしてきた。けれど、知識は日常や仕事に活かすことができなければ、なんの価値も持たない。
おまけに、今自分が持っている知識で十分なのか、誰にも分からないのだ。能力を試してみたいなんて、烏滸がましい発言だったのではないか。
もう少し詳しいことを教えて貰えないだろうか。クララは期待の眼差しをコーエンに向けた。
「……内侍ってのはさ、王族の私生活にまつわるお金とか、侍女とかの人事を担当するんだよ」
コーエンは大きく伸びをしながらそう口にする。気だるそうにはしているが、きちんと教えてくれるあたり、案外面倒見のいい人なのかもしれない。
「あとは、王族とは気軽に話せない身分の奴ら――――位の低い騎士とか文官あたりの要望を聴いたり、逆に命令を伝えたりとかね。主人が直接動けなかったり、判断を下せない状況にあるときに動く役。それが内侍ってわけ」
クララは思わずへぇーーと唸り声を上げる。
王族を表とするならば、内侍とは裏の存在。王族の仕事を影ながら支えたり、城の、外からは見えない部分を動かす役割ということなのだろう。
(思っていたよりもずっとやり甲斐がありそう。だけど)
気づけばトクン、トクンと心臓が鳴っていた。何やら足が竦むし、息がうまくできない。
(それ、本当にわたしに務まるの?)
これまでクララは男性にも負けぬよう、一生懸命勉強をしてきた。けれど、知識は日常や仕事に活かすことができなければ、なんの価値も持たない。
おまけに、今自分が持っている知識で十分なのか、誰にも分からないのだ。能力を試してみたいなんて、烏滸がましい発言だったのではないか。