【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「ですが、懸念事項が一つあります」

「むっ、なんだ?」

「先程、この定時報告のことがフリード殿下達にバレたんです。ですから、ここで飼育を続けていくのは将来的に難しくなるかと」

「バレたからなんだ!そんなこと、気にする必要なかろう?」

「フリード殿下が覗きに来るかもしれませんよ?良いんですか?敵に弱味を見せて」

「うっ……」


 相変わらずカールとの会話はポンポンと熟考の時間なしに進んでいく。それはカールが実直で、言葉の裏の意味を勘繰る必要が無いからだろうと気づいたのは、割と最近になってからだ。


(コーエンとかフリード殿下はあんまり何考えてるか分からないし、色々と含みが多いから)


 そう言う意味で言えば、カールと過ごす時間は疲労感が少なかった。


(しかし、元々は自分が『バレないように』って注文をつけた癖に)


 カールはそのことをスッカリ忘れていたらしい。眉間に皺を寄せながら、うーーんと唸り声を上げた。


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