【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「何で俺に言わなかった?」
「なっ……何が?」
「カールとのこと。おまけに逢引きなんて嘘吐いて――――――そんなに俺を妬かせたかったの?」
「ちがっ」
その瞬間、クララの剥き出しになった首筋に、柔らかく、生温かい感触が走る。耳を塞ぎたくなるような湿り気を帯びた音。唇で軽く吸われただけで駆け巡る、ゾクゾクと痺れるような感覚。
クララは必死にコーエンを押し返し、首を横に振った。
「――――クララが皆と打ち解けるタイプなのは分かってる。儀礼官たちから人気があることも。でも、カールの奴が誰かにあんなに気を許してるのを初めて見た」
腰のあたりを抱き寄せられて、クララはビクリと身体を震わせる。切なげな声音がクララの心をずぶずぶに溶かす。上手く立っていられなくて、けれどコーエンに身を預けるわけにもいかない。必死に両足で踏ん張って、ギュッと目を瞑った。
「あのまま俺たちにバレなかったら、カールと二人きりで逢瀬を続けた?あんな堅物と心を通わせて、想いを寄せられていって、あいつの内侍に――――妃になるつもりだった?」
コーエンは顔を上げてと強いるかのように、クララの髪の毛に顔を埋める。耳元に掛かる熱い吐息。クララはふるふると首を横に振った。
「なっ……何が?」
「カールとのこと。おまけに逢引きなんて嘘吐いて――――――そんなに俺を妬かせたかったの?」
「ちがっ」
その瞬間、クララの剥き出しになった首筋に、柔らかく、生温かい感触が走る。耳を塞ぎたくなるような湿り気を帯びた音。唇で軽く吸われただけで駆け巡る、ゾクゾクと痺れるような感覚。
クララは必死にコーエンを押し返し、首を横に振った。
「――――クララが皆と打ち解けるタイプなのは分かってる。儀礼官たちから人気があることも。でも、カールの奴が誰かにあんなに気を許してるのを初めて見た」
腰のあたりを抱き寄せられて、クララはビクリと身体を震わせる。切なげな声音がクララの心をずぶずぶに溶かす。上手く立っていられなくて、けれどコーエンに身を預けるわけにもいかない。必死に両足で踏ん張って、ギュッと目を瞑った。
「あのまま俺たちにバレなかったら、カールと二人きりで逢瀬を続けた?あんな堅物と心を通わせて、想いを寄せられていって、あいつの内侍に――――妃になるつもりだった?」
コーエンは顔を上げてと強いるかのように、クララの髪の毛に顔を埋める。耳元に掛かる熱い吐息。クララはふるふると首を横に振った。