【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「そんなつもりないわ。仔猫のこと――――侍女からもう聞いてるんでしょう?誰にもバレないようにしろって、カール殿下から命令されたの。普段あんなに厳しい方だもの。他の人には見せられないって仰って。コーエンなら分かるでしょう?」
「……分かるよ。分かる。だけど、それでも嫌だった」
先程までの勢いが一転、コーエンは甘えるように囁きかける。
身体に働きかけるような問いかけだったのが、まるで今は心に直接訴えかけるよう。コーエンに振り回されてばかりで、クララは気持ちが追い付かない。
「嫌だった……クララは俺のなのに」
コーエンはまるで毒気を抜かれたように、シュンと肩を落とし、苦し気に目を細めている。先程もカールに対して口にしていた言葉だ。
「そんなこと言って!」
クララは思わず声を荒げる。
「コーエンは……コーエンはわたしのものになってくれない癖に!」
言いながら、クララの瞳に涙が滲んでいた。
思わぬ言葉だったのだろうか。コーエンの目が丸く見開かれる。
「……分かるよ。分かる。だけど、それでも嫌だった」
先程までの勢いが一転、コーエンは甘えるように囁きかける。
身体に働きかけるような問いかけだったのが、まるで今は心に直接訴えかけるよう。コーエンに振り回されてばかりで、クララは気持ちが追い付かない。
「嫌だった……クララは俺のなのに」
コーエンはまるで毒気を抜かれたように、シュンと肩を落とし、苦し気に目を細めている。先程もカールに対して口にしていた言葉だ。
「そんなこと言って!」
クララは思わず声を荒げる。
「コーエンは……コーエンはわたしのものになってくれない癖に!」
言いながら、クララの瞳に涙が滲んでいた。
思わぬ言葉だったのだろうか。コーエンの目が丸く見開かれる。