【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「……ねぇ、一体何考えてるの?」
クララが思わずそう尋ねる。
すると、楽し気に細められたコーエンの瞳が、キラリと光った。こちらの心情にちっともそぐわぬ反応に、クララは唇を尖らせ、眉間にぐっと皺を寄せる。
「何ってクララのことだけど」
コーエンは何のためらいもなく、サラリとそう言い放った。まるで1+1に答えるかの如く、当たり前、といった表情だ。
「また!そういう冗談を……っ!?」
けれど、クララの言葉は不自然に遮られた。
言葉を飲み込むように重ねられた唇。すぐ目の前に、コーエンの青い瞳が光る。あまりの驚きにクララは目を見開いた。
(コーエン!?一体本気で何考えてるの!?)
身体中に周囲からの視線を感じる。ドンドンとコーエンの胸を叩いてみても、コーエンは何食わぬ顔をして口付けを続けている。
(ありえない!こんな、たくさん人がいる前で!)
フリードの王位継承戦への影響は。クララ自身やスカイフォール家の名誉は。溢れ出さんばかりのこの羞恥心は。コーエンへ言ってやりたいことを考え出したらキリがない。
けれど、考える度に、それらは甘美な温もりにずぶずぶに溶かされて、ちっともクララの頭の中に残ってはくれない。
そうして思う存分唇を味わいつくしてから、コーエンはようやくクララを解放した。
クララが思わずそう尋ねる。
すると、楽し気に細められたコーエンの瞳が、キラリと光った。こちらの心情にちっともそぐわぬ反応に、クララは唇を尖らせ、眉間にぐっと皺を寄せる。
「何ってクララのことだけど」
コーエンは何のためらいもなく、サラリとそう言い放った。まるで1+1に答えるかの如く、当たり前、といった表情だ。
「また!そういう冗談を……っ!?」
けれど、クララの言葉は不自然に遮られた。
言葉を飲み込むように重ねられた唇。すぐ目の前に、コーエンの青い瞳が光る。あまりの驚きにクララは目を見開いた。
(コーエン!?一体本気で何考えてるの!?)
身体中に周囲からの視線を感じる。ドンドンとコーエンの胸を叩いてみても、コーエンは何食わぬ顔をして口付けを続けている。
(ありえない!こんな、たくさん人がいる前で!)
フリードの王位継承戦への影響は。クララ自身やスカイフォール家の名誉は。溢れ出さんばかりのこの羞恥心は。コーエンへ言ってやりたいことを考え出したらキリがない。
けれど、考える度に、それらは甘美な温もりにずぶずぶに溶かされて、ちっともクララの頭の中に残ってはくれない。
そうして思う存分唇を味わいつくしてから、コーエンはようやくクララを解放した。