【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「で、殿下……あの」
「何より一番重要なのはイゾーレ。お前が今、生きて俺の前にいることだ」
「え……?」
カールは珍しく穏やかな笑みを浮かべると、イゾーレの手を強く握りなおした。
まるで自分のことのように、クララの心臓がドキドキと早くなる。この場を離れた方が良いものか逡巡する。
(無理無理!離れた所で気になって覗き見ちゃう!)
理想的な令嬢の対応ではないことを自覚しつつも、クララは堂々とこの場に居座り続けることを決めた。ごくりと大きく唾を呑み、二人のことを見つめ続ける。
カールはやがてそっと目を細めた。
「イゾーレは俺の妃になるんだ。本当に無事で良かった」
命令口調でも威圧的でもない。けれど真剣なカールの声。
信じられない、といった表情でイゾーレがカールを見つめている。目には薄っすらと涙が溜まっているが、何とか流さずに踏みとどまっているらしい。あまりの意地らしさに、クララの方が泣けてきた。
「何より一番重要なのはイゾーレ。お前が今、生きて俺の前にいることだ」
「え……?」
カールは珍しく穏やかな笑みを浮かべると、イゾーレの手を強く握りなおした。
まるで自分のことのように、クララの心臓がドキドキと早くなる。この場を離れた方が良いものか逡巡する。
(無理無理!離れた所で気になって覗き見ちゃう!)
理想的な令嬢の対応ではないことを自覚しつつも、クララは堂々とこの場に居座り続けることを決めた。ごくりと大きく唾を呑み、二人のことを見つめ続ける。
カールはやがてそっと目を細めた。
「イゾーレは俺の妃になるんだ。本当に無事で良かった」
命令口調でも威圧的でもない。けれど真剣なカールの声。
信じられない、といった表情でイゾーレがカールを見つめている。目には薄っすらと涙が溜まっているが、何とか流さずに踏みとどまっているらしい。あまりの意地らしさに、クララの方が泣けてきた。