【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「本当なんだな?」
なおも無言を貫くカールに、コーエンが詰め寄る。
圧倒的な体格差。けれど、それを感じさせないコーエンのオーラに、室内がビリビリとした緊張感に包まれる。
「――――誰に似たのか、お前は昔から血の気が多すぎる」
カールはため息を吐きつつ、どっかりとソファに腰掛けた。
「取り敢えず座れ。話はそれからだ」
コーエンは不服そうな表情をしつつもカールの反対側に腰掛ける。隣にはフリードが続いた。
「思ったよりも情報が早く広まったのだな」
カールは苦々し気にそう呟く。けれどコーエンは小さく首を横に振った。
「いや、俺たちがこの件をいち早く把握できたのはクララのおかげだ。最近しょっちゅう練武場に顔を出していたから、騎士たちが情報をくれたんだ」
話しながら、コーエンもようやく冷静さを取り戻しつつある。クララはほっと胸を撫で下ろしつつ、眉間に皺を寄せた。
「――――騎士たちは、謹慎の理由をなんと?」
「それは……シリウス様がカール殿下の側近として鍛錬が足りていないから――――そうわたしは聞きました」
カールに直接尋ねられ、クララが答える。その瞬間、コーエンの表情が小さく歪んだ。
騎士たちから聞いたシリウスの謹慎理由を、クララは既にコーエンにも伝えていた。けれど、話を聞いてすぐ、コーエンは物凄い勢いでフリードの執務室を飛び出した。
(きっとコーエンは、信じていないんだわ)
カールは厳しいことを言うけれど、筋の通った人だ。規律や規則を重んじ、皆を平等に扱う。
だから側近としての鍛錬が足りない等という曖昧な理由で、こんな懲罰を与えるとは、とても思えない。それがクララの考えだった。
なおも無言を貫くカールに、コーエンが詰め寄る。
圧倒的な体格差。けれど、それを感じさせないコーエンのオーラに、室内がビリビリとした緊張感に包まれる。
「――――誰に似たのか、お前は昔から血の気が多すぎる」
カールはため息を吐きつつ、どっかりとソファに腰掛けた。
「取り敢えず座れ。話はそれからだ」
コーエンは不服そうな表情をしつつもカールの反対側に腰掛ける。隣にはフリードが続いた。
「思ったよりも情報が早く広まったのだな」
カールは苦々し気にそう呟く。けれどコーエンは小さく首を横に振った。
「いや、俺たちがこの件をいち早く把握できたのはクララのおかげだ。最近しょっちゅう練武場に顔を出していたから、騎士たちが情報をくれたんだ」
話しながら、コーエンもようやく冷静さを取り戻しつつある。クララはほっと胸を撫で下ろしつつ、眉間に皺を寄せた。
「――――騎士たちは、謹慎の理由をなんと?」
「それは……シリウス様がカール殿下の側近として鍛錬が足りていないから――――そうわたしは聞きました」
カールに直接尋ねられ、クララが答える。その瞬間、コーエンの表情が小さく歪んだ。
騎士たちから聞いたシリウスの謹慎理由を、クララは既にコーエンにも伝えていた。けれど、話を聞いてすぐ、コーエンは物凄い勢いでフリードの執務室を飛び出した。
(きっとコーエンは、信じていないんだわ)
カールは厳しいことを言うけれど、筋の通った人だ。規律や規則を重んじ、皆を平等に扱う。
だから側近としての鍛錬が足りない等という曖昧な理由で、こんな懲罰を与えるとは、とても思えない。それがクララの考えだった。