【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「やっぱり集中してるよ。どこもマッケンジー家――――シリウスの両親や、その分家筋の領地かその周辺地域だ」
「その通りだ」
カールは頷きながら、コーエンの考えを肯定する。
クララはまだ、貴族の領地や地理に詳しくない。だから、せっかく答えを聞いたところで知識と照合することができなかった。
(本当、まだまだ学ぶことは色々あるのよね)
帰ったら勉強しようと心に決めながら、クララは再び二人の会話に耳を側立てた。
「マッケンジー家が不正に関わっている確証はない。けれど、全く無関係とも考えづらい。だから、奴にはしばらく謹慎を言い渡した」
カールはため息を吐きながら、眉間に皺を寄せた。
恐らくシリウスは、彼が気を許せる数少ない人間の一人だったのだろう。その表情からは苦悶の色が読み取れる。イゾーレもカールに同調するかの如く、悲し気な表情を浮かべていた。
「なるほどね。それが理由なら謹慎も分からなくはない、かな」
フリードは困ったように微笑みながら、カールのことを見つめている。何やらもの言いたげな表情だ。何故だかクララには、フリードが何を言いたいのか分かる気がした。
(カール殿下は、わざわざ自分を悪者にした)
シリウスに謹慎を言い渡した本当の理由を、騎士たちに伝えることは簡単だ。けれど、カールはそれを良しとせず、『カールの理不尽な裁量』でシリウスが処分を受けていると、敢えて嘘を伝えている。
きっと騎士たちはシリウスに同情し、裏でカールの悪口を言うのだろう。それを分からぬカールではない。
それでも、この方法を選んだのはきっと――――。
「その通りだ」
カールは頷きながら、コーエンの考えを肯定する。
クララはまだ、貴族の領地や地理に詳しくない。だから、せっかく答えを聞いたところで知識と照合することができなかった。
(本当、まだまだ学ぶことは色々あるのよね)
帰ったら勉強しようと心に決めながら、クララは再び二人の会話に耳を側立てた。
「マッケンジー家が不正に関わっている確証はない。けれど、全く無関係とも考えづらい。だから、奴にはしばらく謹慎を言い渡した」
カールはため息を吐きながら、眉間に皺を寄せた。
恐らくシリウスは、彼が気を許せる数少ない人間の一人だったのだろう。その表情からは苦悶の色が読み取れる。イゾーレもカールに同調するかの如く、悲し気な表情を浮かべていた。
「なるほどね。それが理由なら謹慎も分からなくはない、かな」
フリードは困ったように微笑みながら、カールのことを見つめている。何やらもの言いたげな表情だ。何故だかクララには、フリードが何を言いたいのか分かる気がした。
(カール殿下は、わざわざ自分を悪者にした)
シリウスに謹慎を言い渡した本当の理由を、騎士たちに伝えることは簡単だ。けれど、カールはそれを良しとせず、『カールの理不尽な裁量』でシリウスが処分を受けていると、敢えて嘘を伝えている。
きっと騎士たちはシリウスに同情し、裏でカールの悪口を言うのだろう。それを分からぬカールではない。
それでも、この方法を選んだのはきっと――――。