【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
(この子ってホント、どうしていつも、こんなにツンツンしてるんだろう?)


 負けず嫌いなのは結構だが、こんなにも敵ばかり作っていては、どこにいても生きづらかろう。いつも神経を尖らせて過ごしていては、疲れるに違いない。

 けれどクララには、レイチェル自身が敢えてそんな生き方を望んでいるようにも見えた。


「――――あなた、どうしていつも、そんな風に振る舞うの?」

「へ?」


 己の考えていたことを逆に尋ねられてしまい、クララは素っ頓狂な声を上げる。


「そんな風……って?」

「分からないの?『わたしには野心なんてありません!皆と仲良くしたいと思ってますーー』っていう、偽善者ぶったその態度よ」

「なっ……!」


 歯に衣着せぬ物言いに、クララは眉間に皺を寄せる。


「こんなところにいる女が、野心を持ってないわけがないじゃない。それなのに、『妃の位なんてどうでも良い』みたいな顔をして、王子たちにも目を掛けられて!バッカみたい!計算高すぎでしょ!私よりもあなたの方がよっぽど性悪だと思うわ」

「あぁそう……良かった!あなた、自分が性悪だって自覚はあるのね?もしかして、気づいてすらいないのかと思ってたから、安心したわ!」

「何ですって!?」


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