【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
 あの後、クララと王妃は色んな話をした。

 両親のこと、友人関係や趣味、特技。物事の考え方や将来の夢について――――。王妃がさり気なく、彼女自身の話も織り込んでくれるためにあまり気にならないが、まるで緩めの尋問でも受けている気分だった。

 きっと王妃は、クララがどんな人物だったとしても、茶会の初めに王妃自身の『内侍としての過去』を話しただろう。そして、この王太子争いがもたらし得る未来と、必要となる覚悟を提示した。同じ女性として、同じ立場を味わった者として、対等に向き合おうとしてくれたように思う。

 けれどその後の王妃は打って変わり、すっかり母親の顔に変わっていた。
 クララが大事な息子の婚約者に足るか――――その品定めの時間、というわけだ。


< 38 / 250 >

この作品をシェア

pagetop