【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
その時、ふとクララの手のひらに何かが触れた。
遠慮がちに指先に触れた温もりは、ややして手のひら全体を包み込む。そっとクララの指を開き絡めるように繋がれたそれは、温かくて大きくて、少しゴツゴツしていて。毎日剣を振るった跡のような――――。
「はい……そう、ですね」
クララはやっとの思いでそう答えながら、チラリと上向く。フリードが立っているのと反対側。クララの手が握られている方だ。
(一体、なにを考えてるの?)
ほんのりと頬を赤らめ、そっぽを向いているコーエンに、クララは心の中で問いかける。当然答えは返ってこないし、心臓がドキドキと高鳴って鎮まりそうもない。
火照った頬を隠すため、クララはそっと俯いたのだった。
遠慮がちに指先に触れた温もりは、ややして手のひら全体を包み込む。そっとクララの指を開き絡めるように繋がれたそれは、温かくて大きくて、少しゴツゴツしていて。毎日剣を振るった跡のような――――。
「はい……そう、ですね」
クララはやっとの思いでそう答えながら、チラリと上向く。フリードが立っているのと反対側。クララの手が握られている方だ。
(一体、なにを考えてるの?)
ほんのりと頬を赤らめ、そっぽを向いているコーエンに、クララは心の中で問いかける。当然答えは返ってこないし、心臓がドキドキと高鳴って鎮まりそうもない。
火照った頬を隠すため、クララはそっと俯いたのだった。