【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
(好きって……違う違う。そう言う意味じゃないんだけど)
クララは思わず赤面する。特別な意味での好きではない。そう思っているはずなのに、何故だかそのままコーエンから視線を逸らすことができない。
ちっとも返事をしないクララを不審に思ったのだろうか。「クララ?」と呼びかけながら、コーエンが小さく首を傾げた。
(いけない。ちゃんと返事しなきゃ)
ペチペチと己の頬を叩きながら、クララは己を鼓舞する。それからニコリと微笑むと、コーエンの隣に並び立った。
「そうね。久々に城の外に出られて、わたしも嬉しいし」
言葉の通り、最近沈みがちだった気持ちは間違いなく浮上している。足取りも随分軽やかだ。
「行きましょ!コーエン」
いつの間にかクララはコーエンを追い越し、街への道を駆けだしていた。
コーエンはしばらく眩しそうに目を細めていたが、やがてゆっくりとクララの後に続いた。
クララは思わず赤面する。特別な意味での好きではない。そう思っているはずなのに、何故だかそのままコーエンから視線を逸らすことができない。
ちっとも返事をしないクララを不審に思ったのだろうか。「クララ?」と呼びかけながら、コーエンが小さく首を傾げた。
(いけない。ちゃんと返事しなきゃ)
ペチペチと己の頬を叩きながら、クララは己を鼓舞する。それからニコリと微笑むと、コーエンの隣に並び立った。
「そうね。久々に城の外に出られて、わたしも嬉しいし」
言葉の通り、最近沈みがちだった気持ちは間違いなく浮上している。足取りも随分軽やかだ。
「行きましょ!コーエン」
いつの間にかクララはコーエンを追い越し、街への道を駆けだしていた。
コーエンはしばらく眩しそうに目を細めていたが、やがてゆっくりとクララの後に続いた。