【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「お疲れ。あっちは大丈夫そうだったか?」
宴の会場側に設けられたフリードの臨時執務室に戻ると、コーエンがクララに声を掛ける。
「えぇ。問題なさそうよ」
「よしっ。これであとは本番を迎えるだけだな」
コーエンは満足そうに微笑みながら、フリードと顔を見合わせた。
クララはホッと胸を撫でおろすと、ソファに腰を下ろした。さすがに疲労感が大きい。少しぐらい休憩をさせてほしかった。
「お疲れのところごめんね。一応最後に、宴の最中のクララの動きの確認だけさせて貰っても良いかな?」
フリードがニコニコと微笑みながら、クララの前に腰掛ける。
「あっ、はい。確かわたしは、基本的に他の内侍と一緒に詰め所に待機するんですよね?」
「そうだよ。使節たちの出迎えと見送りの際に顔を出してもらうけど、宴の最中は裏で待機してて。何かあった時に責任者として対応してもらうことがあるかもしれないけど、基本的には儀礼官たちが対応できるから」
饗宴は女人禁制というわけではないものの、王家の女性だけが列席する決まりになっているらしい。このため、クララたち内侍は裏方として待機をすることになっている。
レイチェルなどはこの扱いに不満を抱いていたらしいが、婚約が正式なものでないことから、最終的には諦めたようだ。
(長かった……!けど、この仕事ももう、殆ど終わったも同然ね)
宴に参加するフリードとコーエンとは異なり、クララの役目はここまでだ。感慨深さにため息を吐きながらクララは笑顔を浮かべた。
宴の会場側に設けられたフリードの臨時執務室に戻ると、コーエンがクララに声を掛ける。
「えぇ。問題なさそうよ」
「よしっ。これであとは本番を迎えるだけだな」
コーエンは満足そうに微笑みながら、フリードと顔を見合わせた。
クララはホッと胸を撫でおろすと、ソファに腰を下ろした。さすがに疲労感が大きい。少しぐらい休憩をさせてほしかった。
「お疲れのところごめんね。一応最後に、宴の最中のクララの動きの確認だけさせて貰っても良いかな?」
フリードがニコニコと微笑みながら、クララの前に腰掛ける。
「あっ、はい。確かわたしは、基本的に他の内侍と一緒に詰め所に待機するんですよね?」
「そうだよ。使節たちの出迎えと見送りの際に顔を出してもらうけど、宴の最中は裏で待機してて。何かあった時に責任者として対応してもらうことがあるかもしれないけど、基本的には儀礼官たちが対応できるから」
饗宴は女人禁制というわけではないものの、王家の女性だけが列席する決まりになっているらしい。このため、クララたち内侍は裏方として待機をすることになっている。
レイチェルなどはこの扱いに不満を抱いていたらしいが、婚約が正式なものでないことから、最終的には諦めたようだ。
(長かった……!けど、この仕事ももう、殆ど終わったも同然ね)
宴に参加するフリードとコーエンとは異なり、クララの役目はここまでだ。感慨深さにため息を吐きながらクララは笑顔を浮かべた。