【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~
「クララ、少し待ちなさい。さっきの話の続きを――――」
そう呼びかけるが、クララの足取りは軽く、彼の声はもう届きそうにない。ワグナーは小さくため息を吐きながら、先程のクララの言葉を反芻していた。
(コーエン――――――)
クララの耳元で光るエメラルドのイヤリング。その贈り主の名を、クララは『コーエン』と、確かにそう言った。
「誰なんだ、その男は」
娘のいなくなった方向に向かい、ワグナーは思わずそう漏らす。
宰相である彼の聞き覚えのない名。ワグナーは一人、首を傾げた。
そう呼びかけるが、クララの足取りは軽く、彼の声はもう届きそうにない。ワグナーは小さくため息を吐きながら、先程のクララの言葉を反芻していた。
(コーエン――――――)
クララの耳元で光るエメラルドのイヤリング。その贈り主の名を、クララは『コーエン』と、確かにそう言った。
「誰なんだ、その男は」
娘のいなくなった方向に向かい、ワグナーは思わずそう漏らす。
宰相である彼の聞き覚えのない名。ワグナーは一人、首を傾げた。