Tepes(ツェペシュ)
二人とあまり喋ることもなく、美奈はルナの運ばれた病院へ向かった。

「お母さん…お姉は」

「…大変だったわ…」

母の話によると、ルナは怪我をしているわけでもないのに、血が足りなくなっていて、母が輸血したらしい。

「まぁ、発作じゃなくて…安心したわ…」

「よかった…」

大事をとって、ルナは一日入院することになった。母は、ルナの様子を見てから帰ると言っていたので、美奈は先に帰ることにした。

「…不審者…か…」

もしかしたら、ルナはそれに襲われたのかもしれない…そう思うと、無性にいらだった。

(お姉は…病気なのに…)

不審者にはそんなこと関係ないのかもしれないが、こっちとしては大問題である。

(…それにしても…)
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