Tepes(ツェペシュ)
数分間、そのまま見つめ合っていた。そのうち、影はいきなり道路のほうに飛び出し、消えてしまった。

「何だった…の?」

窓に近づき、開けると熱された空気が顔をなでた。外には、人影はなかった。

「何だったの…」

窓を閉め、時計を見るともうご飯のなるような時間だった。

「…お母さんも、お父さんも遅いし…」

コンビニにでも行って、何か買ってこよう。そう思い、玄関に向かい、外へ出た。日が落ちた後でも、まだ空気は蒸し暑い。コンビニに入り、夕飯や飲み物を買い、帰路についた。

「ぁ…」

「中森…?」

黒羽だった。
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