Tepes(ツェペシュ)
「どうした、こんな時間に」

「ぁ…親がいないので…夕飯を…」

「そうか…」

じっと見てくるので、叱られるのかと構えていた。

「…最近は物騒だからな…送ろう」

「ぇ!?そ、そんな…いいですよ」

慌てて断ろうとしたが、不審者に襲われたら困るといわれ、断れ切れずに送ってもらうことになった。かといって、話題があるわけでもなく、蒸し暑い中を二人は美奈の家に向かっていった。

「あの…先生、此処でいいです…」

「そうか?分かった…気をつけるんだぞ」

それだけ言うと、黒羽は来た道を帰っていった。

「…ふぅ」

なんとなく、黒羽は苦手だ。なんとなく、で理由はよく分からないが…。

「なんか、疲れたな…」
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