Tepes(ツェペシュ)
「…送ろう」

「ぇ…」

何も言っていないが、黒羽はそういうと美奈の前に立って歩き出した。美奈が戸惑っていると、黒羽が振り向いた。

「何かあったんだろう…」

「先生…」

なんとなく、嬉しかった。

「早く、行くぞ」

「は、はい…」

何も会話はない。この前、送ってもらったときのように、何も話すことがない。…むしろ、先生との話題って、何も共通するものがない…。

(送ってもらうだけだし…別にいいよね…)

「どうした?」

「なんでもないです…」

「そうか…」
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