Tepes(ツェペシュ)
「じゃぁ…此処で」

「あぁ。気をつけろよ」

小さく頷くと、美奈は玄関に向かって走っていった。それを見送り、黒羽は来た道を歩き始める。

「…笹森、用か?」

「…」

小路の影から、陣が姿を現した。警戒した目で、黒羽を見つめている。

「美奈に何の用だったんですか?」

「…ただ、送っただけだ」

「…なんで、都合よく?」

「偶然だ」

「出来すぎじゃないですか?」
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