Tepes(ツェペシュ)
母も父もつかれ切って、霊安室の外の椅子で座っていた。美奈は、ただ呆然とルナの遺体を見つめていた。
-ニゲテ-
「ぇ…」
また、あの声だ。何から、逃げろというのか…。しかし、美奈も何かを感じ取っていた。異様に冷えた、霊安室の空気に、美奈は震えた。
「な…に?」
「美奈…」
「!?」
聞き間違うはずがない。それは姉の、死んだはずのルナの声だった。身体が凍りつくようだった。
「だ…れ…」
声が上ずる。喉に何かが張り付いて、声が出ないような感覚に陥った。
-ニゲテ-
「ぇ…」
また、あの声だ。何から、逃げろというのか…。しかし、美奈も何かを感じ取っていた。異様に冷えた、霊安室の空気に、美奈は震えた。
「な…に?」
「美奈…」
「!?」
聞き間違うはずがない。それは姉の、死んだはずのルナの声だった。身体が凍りつくようだった。
「だ…れ…」
声が上ずる。喉に何かが張り付いて、声が出ないような感覚に陥った。