Tepes(ツェペシュ)
「美奈…私よ…?分からないの…?」

「おね…え?」

死んでいたはずの身体が、身体が動き出した。死後硬直のあったせいか、動きはかなりぎこちない。しかし、目は確実に、美奈を捉えていた。

「身体が軽いわ…私じゃないみたい…」

「なんで…?」

「…私ね…」

美奈の疑問には答えず、ルナはぞっとするような笑顔で美奈を見つめた。

「私、美奈になりたかったの」

「ぇ…?」

声が、詰まる。何も、声がでない。叫ぶべきなのに、その叫びは全てからだの中で縮こまっていった。

「私、美奈の健康な身体が欲しかったの…でも、それももういらないわ…」

ゆっくりとした動作で、美奈にルナは近づいていく。美奈は後ずさるも、それは壁に阻まれた。
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