Tepes(ツェペシュ)
「眷属の身で…」

「ヴラド…様…?」

「死ね」

目の前の出来事が、まるでスローのように動いていく。「ヴラド」と呼ばれた男は、まるで当たり前のことのように手に持った木の杭を、ルナの胸につき立て、槌で叩き込んだ。

「っーーーーーーーーーー!!!!」

この世のものとは思えない絶叫を上げ、ルナは身体を倒す。そして、二度と起き上がらなかった…。

「お姉…」

「…」

固まっている美奈のほうに、男が振り向く。暗がりで、顔は見えない。

「マーリア…」
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