Tepes(ツェペシュ)
第三夜

邂逅-デアイ-

長い葬式が、終った。ルナの遺体は、あまり見せられることなく、灰になっていった。

「…」

離れは、そのまま残されることになった。美奈は、その離れに一人、佇んでいた。

「お姉…」

あの日のことが、悪い夢のように思える。でも、あれは事実だ。あの後、確かにルナの胸には木の杭が叩き込まれていた。

「あれは…誰だったの…?」

目を押さえながら、蹲る。後ろで、扉を叩く音が聞こえた。泣き顔を見られたくないため、答えなかったがもう一度叩かれたので、美奈は目を拭い、扉を開けた。

「はい…?」

「中森…?」

「…先生…」
< 38 / 51 >

この作品をシェア

pagetop