Tepes(ツェペシュ)
…混濁した、足元も覚束ない空間を、美奈は歩いていた。

(ぁ…私…夢見てるんだ………)

美奈は、それだけ理解すると足元に目をやった。

「!!??」

美奈は、空にいた。足元には…おびただしい、血に塗れた死体が見えた。まだ生きているものがあるのか、時折弱々しいうめき声が聞こえる。

「な、何なの…何…」
―コレハ記憶…―
「!?」

美奈の耳元で、あの声が聞こえた。耳を押さえ、足元の壮絶な光景を見つめる。

「何…これ…」

よく見ると…死体は全て木の棒で串刺しにされていた。

―ヴ■■…―
「えっ!?」

……………………………………そこで意識は途絶えた。
< 42 / 51 >

この作品をシェア

pagetop