【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「ああ、待たせてしまって申し訳なかったな。必要な根回しは全て終わらせてきた」
頬を赤らめ、息を弾ませながらボルネマンが戻ってきた。秘書を呼びつければ、冷たい飲み物を用意するように言いつける。
「その蓄魔力器を使った音声放送機は全数回収の指示を出してきた。回収後は他の音声放送機と交換か、あとは無償で修理だな」
「あら、私のところでも五台ほど修理しちゃったわよ。まだ修理しなきゃいけないものは残ってるけど」
「ああ、その修理代はもちろんボルネマン商会で出す。客にはそう言って欲しい。対象の製造番号はこれになる」
紙切れを一枚、ハイケは受け取った。
「ね、カリーネ。この男はこういう男なのよ」
「なんだ、ハイケ。お前は弟子に私の悪口でも吹き込んでいたのか?」
「まさか。ボルネマン商会の魔導具なのに、こんなに初期不良が出るなんておかしいって言ったのよ。そしたら、この子が、もしかしたらボルネマン商会が偽物の部品を買わされたんじゃないかって、心配したわけ。それに、不具合箇所を見つけたのもこの子よ」
カリーネ、あれ出しなさいよ。とハイケがカリーネのリュックに手を伸ばす。
頬を赤らめ、息を弾ませながらボルネマンが戻ってきた。秘書を呼びつければ、冷たい飲み物を用意するように言いつける。
「その蓄魔力器を使った音声放送機は全数回収の指示を出してきた。回収後は他の音声放送機と交換か、あとは無償で修理だな」
「あら、私のところでも五台ほど修理しちゃったわよ。まだ修理しなきゃいけないものは残ってるけど」
「ああ、その修理代はもちろんボルネマン商会で出す。客にはそう言って欲しい。対象の製造番号はこれになる」
紙切れを一枚、ハイケは受け取った。
「ね、カリーネ。この男はこういう男なのよ」
「なんだ、ハイケ。お前は弟子に私の悪口でも吹き込んでいたのか?」
「まさか。ボルネマン商会の魔導具なのに、こんなに初期不良が出るなんておかしいって言ったのよ。そしたら、この子が、もしかしたらボルネマン商会が偽物の部品を買わされたんじゃないかって、心配したわけ。それに、不具合箇所を見つけたのもこの子よ」
カリーネ、あれ出しなさいよ。とハイケがカリーネのリュックに手を伸ばす。