【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「あれ? あれって何のことを言ってます? っていうか、人のリュックを勝手に漁らないでくださいよ」
「回路図よ。持ってきてるでしょ? ないの?」
「あります、あります。師匠が持っていくようにって言ってたから」
カリーネはハイケに中身を漁られる前に、リュックを抱き寄せてその中からあの回路図を取り出した。
「どうぞ」
「ちょっと、見なさいよ、ボルネマン。これ、この子が現物から書き起こした回路図よ」
ハイケの勢いに押されたボルネマンはそれを受け取り、じっと眺めれば、その顔が険しくなっていく。
「どう?」
ハイケが身を乗り出す。ボルネマンは口元を手で押さえながら、回路図を見ている。シンとした空気が流れているため、居たたまれなくなったカリーネはお菓子に手を伸ばす。すると、ラーシュもお菓子に手を伸ばして、なぜかカリーネの口の中にそれを放り込む。どうやら、そんな二人のやり取りにハイケもボルネマンも気付いていない様子。
口の中一杯にお菓子が入ってしまったので、カリーネはもぐもぐと口を動かしていた。それをラーシュが笑いを堪えるようにして見ている。
「回路図よ。持ってきてるでしょ? ないの?」
「あります、あります。師匠が持っていくようにって言ってたから」
カリーネはハイケに中身を漁られる前に、リュックを抱き寄せてその中からあの回路図を取り出した。
「どうぞ」
「ちょっと、見なさいよ、ボルネマン。これ、この子が現物から書き起こした回路図よ」
ハイケの勢いに押されたボルネマンはそれを受け取り、じっと眺めれば、その顔が険しくなっていく。
「どう?」
ハイケが身を乗り出す。ボルネマンは口元を手で押さえながら、回路図を見ている。シンとした空気が流れているため、居たたまれなくなったカリーネはお菓子に手を伸ばす。すると、ラーシュもお菓子に手を伸ばして、なぜかカリーネの口の中にそれを放り込む。どうやら、そんな二人のやり取りにハイケもボルネマンも気付いていない様子。
口の中一杯にお菓子が入ってしまったので、カリーネはもぐもぐと口を動かしていた。それをラーシュが笑いを堪えるようにして見ている。