【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「これは、お嬢ちゃんが書いたのか?」

「お嬢ちゃんではなく、カリーネよ。私の弟子なんだから」

「ああ、すまない」

 カリーネは焦って、急いでお茶を飲んで口の中を湿らせた。

「あ、はい。現物見ながら、そのまま回路図に落とし込みました」

「この回路図、合ってるんだよ……。おいおいおいおい、ハイケ。なんちゅう子を弟子にとったんだ」

「ね、すごいでしょ? この子。あのフランの義理の妹なのよ」

「フランの? てことは、ホルヴィストのロード伯の娘か?」

「父のことをご存知なのですか?」

「もちろんだ、ロード領の魔鉱石にはこっちも世話になっているからな」
 そうか、ロード伯の娘か、とボルネマンは満足そうに口にしている。

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