【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「それでね、この子」
 ハイケが無理矢理話の内容を捻じ曲げてきた。
「この回路図から、魔導具の不具合をこの蓄魔力器にあるって、解析したの」

「そうか。それでこの蓄魔力器が偽物であるというところまで突きとめてくれたんだな。ありがとう。まだ大きな問題になる前に、回収の指示を出すことができた。迷惑をかけた客には、きちんと補償を考えている」

「ですが、会長は騙されたんですよね?」

「まあ、そういう言い方もできるが。きちんとそれらを確認しなかったというのは、我々の責任だからな」

「それで、怪しげな代理店の名前は?」
 腕を組んでいるラーシュは、何やら考え込んでいるのだが。
「ああ、そうそう、そうだ。当時、調達部門にいたケイシーという臨時社員の紹介だったんだ。アルギナという名前の代理店だ」

「カリーネ。メモ帳とペン、持ってるか?」

「あ、はい」
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