【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 カリーネはまたリュックをごそごそと漁る。中から、メモ帳とペンケースを取り出すとそれをラーシュに手渡した。

「怪しげな代理店は、アルギナで間違いないな?」
 ラーシュの言葉にボルネマンは「そうだ」と頷く。
「その怪しげな代理店を紹介したのは、臨時社員のケイシー、男か? フルネームはわかるか?」

「ああ。男だ。フルネームは、ケイシー……、ケイシー・ニークだな」

「臨時社員ということは、今はもういないのか?」

「ああ、一か月前に辞めている」

 タイミングが良すぎるな、というのがラーシュの思い。

「アルギナという代理店と、ケイシー・ニークという男については、俺の方で調べる。だが、他の紹介にアルギナという代理店から部品を買わないようにという通知を出したい」

「もしかしたら。他にも被害者が出てるかもしれないな。なんせ、今、部品の入手難だから」

「入手難?」

< 105 / 222 >

この作品をシェア

pagetop